慰謝料とは、交通事故の被害者が加害者から受け取る金銭の一種で、精神的な苦痛に対して支払われるものです。
被害者が加害者から受け取るお金を総称して「示談金」といいます。
示談金は慰謝料と損害賠償金で構成されており、治療費(交通費を含む)や仕事を休んで失った収入(休業損害)、車の修理代などは慰謝料ではなく損害賠償金に該当します。
この記事では、慰謝料の内訳や計算方法、慰謝料を増やす方法などについて詳しくお伝えします。
慰謝料の種類
交通事故の被害者が加害者から受け取れる慰謝料には、次の3つがあります。
入通院慰謝料
入通院慰謝料とは、交通事故で入院や通院をする必要性が生じたことの精神的な苦痛に対する対価です。
通院・入院のいずれかのみでも支払われます。
基本的に通院でも入院でも期間が長い方が金額も高くなりますが、症状の度合いなど個別の事情も考慮されます。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは、交通事故が原因で後遺症が出た場合に、その精神的な苦痛に対して支払われる金銭のことを指します。
ただし、後遺症が出れば必ず慰謝料を受け取れるわけではなく、後遺障害の認定を受けることが必要です。
症状が重い順に第1級~第14級までの等級に分けられ、症状が重いほど多額の慰謝料を受け取ることができます。
死亡慰謝料
死亡慰謝料とは、交通事故で亡くなった方がいる場合に支払われる慰謝料です。
亡くなった本人の分だけでなく、その遺族に対しても支払われますので、人数が多くなるほど金額も大きくなります。
遺族慰謝料を請求できるのは被害者の「配偶者」「父母」「子」です。
慰謝料の計算基準
慰謝料の計算基準には、次の4つがあります。
自賠責基準
バイクを含むすべての自動車を所有する人は自賠責保険への加入が義務付けられていますが、自賠責基準はこの自賠責保険に基づいて計算される慰謝料です。
自賠責保険はあくまで最低限の補償を確保することを目的としたものなので、これに基づいて計算された慰謝料は、他の基準と比べてもっとも安くなるのが一般的です。
自賠責保険は補償額が傷害で120万円、死亡3,000万円、後遺障害4,000万円という上限がありますので、この基準で計算される慰謝料が低くなるのは必然性があるといえるでしょう。
任意保険基準
任意保険基準とは、自動車保険の任意保険を販売している保険会社が使用する基準で、各社によって異なっています。
一般公開はされていません。
自賠責保険と比べれば金額は高くなりますが、後述する弁護士(裁判)基準と比べると低めになるのが一般的です。
弁護士(裁判)基準
弁護士(裁判)基準とは、過去に行われた交通事故裁判の判例を元にして決められた基準です。
弁護士基準による慰謝料は、日弁連交通事故センター東京支部が発行している「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(通称“赤い本”)又は日弁連交通事故相談センター本部が発行している「交通事故損害額算定基準」(通称“青本”)のいずれかに掲載されているものを参考にして決められることが多い傾向です。
弁護士基準によって計算された慰謝料は個別の事情も考慮して決定されますので、他の基準よりも高くなるのが通常です。
ADR基準
慰謝料の計算基準は通常、以上のどれかになるのですが、これに加えてADR基準というものが用いられることがあります。
ADRとは裁判外紛争解決手続のことで、あっせんをする機関が間に入り、なるべく当事者同士で解決を図るための手段です。
交通事故の場合、交通事故相談センターやそんぽADRセンターなどの機関が仲介を行います。
金額については任意保険基準と弁護士基準の間くらいにとどまるようです。
以上の中でもっとも金額が大きくなるのは弁護士基準なので、交通事故で被害者となった場合は、なるべく弁護士基準で慰謝料を受け取ることを目指すべきです。
弁護士基準で慰謝料を請求するためには、弁護士や司法書士などで交通事故の交渉を得意とする専門家に依頼するのが有効といえます。
金額も10倍以上の開きが出ることがありますが、その存在を知らなければ請求することはできませんし、いったん示談がまとまってしまうと後から覆すことはできません。
そのため、加害者との交渉に望むにあたっては、必ずご自身の状況における相場を知っておきましょう。
“青本”と“赤い本”の違い
弁護士基準での慰謝料算定において用いられる青本と赤い本ですが、両者は発行主体が異なるというだけでなく、いろいろと違いがあります。
青本は慰謝料の算定基準とその解説を中心にして、全国の参考となる裁判例を掲載しています。
全国的な基準として弁護士が活用することを想定して作られており、慰謝料の上限と下限を示すという形で提示する方法をとっています。
一方、赤い本は東京地裁の実務をベースにし、慰謝料の基準を示したうえで参考になる判例を掲載しているのです。
裁判例の掲載が多く、被害者に有利な判例を取り上げる傾向があり、毎年改訂されています。
赤い本は法曹関係者向けの専門書として編集されており、どちらかと言えば青本と比較して全国的に使用されているという現状があります。
実際は相談する弁護士や司法書士によってどちらを使うのか変わりますし、慰謝料の金額は個別具体的な事情を加味したうえで決まるものです。
そのため、「被害者がどちらをベースにして交渉にあたるのか」という点を気にする必要は、あまりないといえます。
具体的な慰謝料の相場
慰謝料相場の計算基準で公開されているのは自賠責基準と弁護士基準です。
各種慰謝料がそれぞれの基準でいくらになるのか、おおまかに解説します。
入通院慰謝料の相場
自賠責基準の場合
自賠責基準の場合、慰謝料は4,200円×通院期間で計算。
計算式上の「通院期間」は、次のいずれか小さい値を用います。
・入院日数+通院期間(日数)
・(入院日数+実際に通院した日数)×2
例えば、30日間入院した後、84日間通院(週1回、合計12回通院で約3カ月の期間)した場合をみてみましょう。
30日+84日=114日>(30日+12日)×2=84日なので、通院期間は84日間になります。
そのため、慰謝料は4,200円×84日=35万2,800円となります。
弁護士基準の場合
弁護士基準では、入院日数や通院日数に応じて基本となる金額が決められています。
以下は赤い本に掲載されている一例です。
・通院1カ月のみ 28万円
・通院3カ月のみ 73万円
・入院1カ月、通院6カ月149万円
・入院3カ月、通院12カ月 236万円
後遺障害慰謝料の相場
自賠責基準の場合
1級1,600万円
5級 599万円
10級 187万円
14級 32万円
弁護士基準の場合
1級 約3,000万円
5級 約1,400万円
10級 約550万円
14級 約110万円
後遺障害慰謝料は認定される等級によって慰謝料の金額が異なります。
そのため、適切な慰謝料を受け取るためには等級の認定が正しく行われることが大事です。
死亡慰謝料の相場
自賠責基準の場合
自賠責基準で慰謝料を計算する場合、被害者本人については350万円、遺族については人数に応じて増額されます。
1名の場合は550万円、2名の場合は650万円です。
弁護士基準の場合
弁護士基準で慰謝料を計算する場合、被害者が一家の収入の多くを占める者だと約2,800万~3,600万円、遺族の場合は約1,800万~2,500万円です。
例えば、結婚して間もない時点で夫が亡くなったようなケースや、事故の原因が飲酒運転やひき逃げなど重大事故の場合は増額されることがあります。
自賠責基準と比べるとかなり高額になります。
納得いく慰謝料を勝ち取りたいなら、専門家に依頼しましょう
慰謝料の計算方法はとても複雑です。
相手方の保険会社もできるだけ支払いを少なくしたいと考えています。
そのため、「被害者から要求された金額をそのまま支払うことは基本的にない」と考えておいた方が良いです。
交渉がまとまらずに裁判になることもあるのはそのためです。
交渉相手となる被害者側の保険会社は、被害者の味方ではありません。
保険会社としては賠償金の額を少しでも減らしたいため、保険会社の言う通りに交渉を進めると、本来支払われるべき賠償額よりも少ない金額になってしまうケースがほとんどです。
引用:琥珀弁護士事務所
あなたが交通事故の被害者となったときは、できるだけ弁護士に依頼するのが良いでしょう。
交通事故の被害者となったときは治療だけでも大変な思いをしているわけですから、せめて金銭的には十分な補償を受けたいですよね。
信頼できる専門家を見つけ、納得いく慰謝料を勝ち取ってください。
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